ひとこと言わせて
President’s Mutter

水は貴重な資源なのに

ひとりごと

公開日時:2010.09.15

東京の今年の夏は1ヶ月ほど雨が降らず、大変暑い日が続いていましたが、折からの台風の影響で大雨のプレセントがありました。日本人にはとって、水道水が飲めるのは当たり前ですが、世界数ある国の中で、蛇口をひねって出てくる水が飲める国は20国ぐらいしかないそうで、むかしイザヤ ペンダサンというユダヤ人?が日本人は水と安全はただだと思っていると書いています。

海外に出張して不便なのが、歯を磨くのにペットボトルに入った水を使はなければならないこと、ただ歯を磨くだけで400mlぐらいの量を使う事になる。普段、歯をみがいたり顔を洗うのに水道を出しっぱなしにしているけれど、ペットボトルの水を使う経験をすると、日常いかに無駄に水を使っているかを認識させられる。うっかり日本の習慣で水道水を飲んでしまうとお腹をこわしてしまうし、飲めるという水でも、硬水のせいか沸かしていれた日本茶はおいしくない、昆布茶なら何とか飲めるという程度の水ばかりです。ハイキング、登山や渓流つりで山に入れば、本流に流れこむ小さな沢の水は、どこでも透明な水を飲む事ができる。しかも冷たくてうまい。但し北海道は例外で、キタキツネのエキノコックスが怖いので飲まないが。

考えてみると、日本人ほど水を大事に思わない民族はいないのではないだろうか。日本の川はよほどの下流でなければ、どこでも透明の水が流れている。大雨が降って赤茶色に濁っても、何日かたつとまた透明の水にかえる。バンコックのゴルフ場ではボールをウオーターハザードに入れると、わずか2,30センチと浅くても年中濁っているので、ボールの位置がわからない、そばに男の子がいて、中に入って拾ってはロストボールで売っている。

山深い渓谷の広葉樹に囲まれている場所にテントを張ると、ちょっとした雨では川の水はほとんど濁らない。大雨でも一気に濁って水かさが上がるこ

とはなく徐々に増えてゆく。日本の山の保水力にはすばらしい力があることを感じる。それでも、山に入ると、あちこち荒廃している森林が多い。特に戦中戦後にかけて植林した杉林にそれをかんじる。山が荒れると、その下流の海も荒れるという因果関係があることがわかってきている。手が入れられないのは、木材価格が輸入材の価格に太刀打ちできないことにあり、老齢化も拍車をかけているという。そんな山々が最近外国資本に買い占められているということも聞く。

我々には普段は、さほどありがたいとおもわない「水」それと「森林資源」が貴重な天然資源だという再認識をして、もっと大事に取り扱うことを考えなければならないと感じてならない。