ひとこと言わせて
President’s Mutter

日本の格差を考える

ひとりごと

公開日時:2011.01.31

正月そうそう辛口のつぶやきをしたくなりました。政権が民主党に変わったとはいえ、人気取りのばらまき政策が中心、法人税は下げることになったようですが、そのほかの見えない部分で増税するという政策には落胆するしかありません。それも問題はわかっていても、何でもかんでも先送りする。税収より国債に頼る姿勢が当たり前の精神が私たちには納得がいきません。私たち中小企業は赤字に転落すると、仕入れ先が警戒し、掛け売りでなく現金で取引したいと、条件をかえてきます。もちろん銀行さんもなんだかんだと貸し渋り貸しはがしを考えます。つぶれないために経営者から身を削って、社員にも協力してもらって何とか赤字にならない努力を必死にします。それなのになぜ国が毎年毎年赤字国債を発行して、平気でおられるのでしょうか。それは、上に立つ人が国はつぶれないものだと思って、本当に責任を感じていないからでしょう。

日本は格差社会でその格差がますます開いていると主張する人がいますが、日本国外の格差を知らずして言っているとしか思えません。日本に格差があるとしたら、公務員、大会社の正社員とその会社の非正社員や下請け企業、また一般の中小企業や零細企業で働いている働く人々とに大きな差があることをまず解消すべきでしょう。

ボーナスシーズンになると平均賞与の額が新聞に載ります。読者はそれが日本の労働者の平均だと誤解し、中小企業で働くほとんどの人々に、どうして我々はこんなに安いんだという劣等感抱かせます。この高い平均賞与額は新聞社がアンケートで送った数百社の賞与を支払うことの出来た企業の平均で、賞与を払えなかった会社を含めての平均ではありません。某銀行のレポートには大企業とその他の企業の賞与の平均金額を発表していますが、大企業の平均と中小企業では50%近く低い金額になっています。ボーナスだけでなく退職金や福利厚生でも大きな格差があります。激しい経済競争のなかで、いつつぶれるかわからないという危機感を持って命がけで働いている中小零細の経営者やその下で汗水垂らして働いている従業員との格差にもっと目を向けて良いのではないでしょうか。

九州の阿久根元市長や名古屋元市長の考えに同感の人が沢山居ます。農業問題にしても、私たちほとんどの中小企業は、激しい競争に自力で戦っています。食の自給率を高め水源の確保のために休耕田の水田を保護し森林を豊かに保持して行くようなことにお金を投じることは必要なことですが、使える土地を遊ばせて、何でもかんでも補助金でという政策には疑問を感じます。ましてや米を作れる田んぼを休ませて、休業補償をすることに納得がいきません。米をどんどん作って食糧自給率を高め、それを政府は買い上げて、ODAの海外支援をお金でなく現物のお米であげたらいいではないでしょうか?日本の食に対する安全性の信頼感は高く、現実に果物も全く味が違うおいしさに、高い価格で東南アジアのスーパーに並んでいます。私は世界人口60億人の5%の金持ちだけの市場を対象にして日本の農業を積極的に広げれば、減反でお金を出すよりも農産物の輸出に大きな支援金を出すように発想をかえても日本の農業は勝ち残れると思っています。

何時つぶれるかわからない状況の中で、命がけで働いている中小企業の経営者やその下で働いている人達と、公務員のボーナスは同じレベルにしてもおかしくないと思います。公務員は会社が倒産する心配がないだけでも中小企業の人達より低くて良いくらいです。今民間のボーナスは業績反映に変わって居ます。公務員のボーナスは財政が黒字になるまで無しにして、一歩譲って1/3にしてもバチは当たらないと思います。何でもかんでも先送りにして、わかっていてもやれない、いややらないことを誰かが率先して口火をきらなければならないときに来ているように思えてなりません