ひとこと言わせて
President’s Mutter

日本の神話をどうして教えないのだろうか?

ひとりごと

公開日時:2011.07.29

 スリランカに行き観光をしたときのガイドさんが、スリランカは建国2500年の歴史があるのだと説明をしてくれた。スリランカに伝わる伝説をもとに推定して国の歴史として語ってくれたようである。あちこちに残る仏像や遺跡からそうかなと信じてしまうが、つい対抗意識が出てきて、私がまだ小学校にあがる前年の昭和15年、皇紀2600年のお祝いの提灯行列について行ったことを思い出し、思わず「紀元は2,600年…」というメロディが浮かんできた頭で計算し、今年は初代の神武天皇が即位して日本が出来てから、今年は2,671年だと口走ってしまった。
 昭和16年4月に国民学校1年生になり、敗戦の年昭和20年の5年生になるまでに習ったことは敗戦と同時にすべて否定されてしまった。それは敗戦後2,3ヶ月経ったある日、疎開先の栃木県鹿沼市の国民学校に、アメリカの進駐軍の兵士がジープに乗って現れて、生徒の修身の教科書を出させて、校庭の真ん中にうずたかく積み、ジープから補助タンクを持ち出して、その教科書にガソリンをまき散らして火をつけて燃やしてしまった光景を忘れることは出来ない。まさに焚書坑儒である。また当時の郵便物の中には開封して、当時日本には存在していない印刷セロテープで封印している検閲もあったのを覚えている。以来日本の歴史、神話はタブーなってしまった。
 私が国民学校で習ったうろ覚えの日本創成の歴史は、いざなきといざなみの両神があまのぬほこで海をかき回して垂れたしずくが島になり日本の国が出来たと習い、子孫の天照大神を地上に送り、その弟のスサノウノ尊の乱暴で、姉の天照大神が怒って天の岩屋に閉じこもり、世界が真っ暗になってしまい、困った神々が岩屋のまえで賑やかに騒ぎ、アメノウズメノミコトがストリップショウまがいの踊りを踊ったので、何事かと岩戸を一寸開けた隙間に強力な力の持ち主のアメノタジカラオの尊が一気に岩戸を開いたので、また世界が明るくなったというような話や、スサノウノ尊が八岐の大蛇(やまたのおろち)を退治したり、草薙の剣の話や、大国主命と因幡の白ウサギや、海彦山彦の話など、きいていても面白い奇想天外の話がいっぱいだったように思う。
これらの話は古事記に書かれているそうで、古事記は稗田阿礼(ひえだのあれ)というひとの話を太安万侶(おおのやすまろ)が書いて和銅5年(712年)出来た本だそうである。これらの神話が正しい正確な日本の歴史だとは思えないが、魏志倭人伝などの、他国の書を信じて、1400年前の古事記に書かれていることを全く無視して日本の歴史を研究し教えているのは一寸とおかしいのではないだろうかと思わざるを得ない。すくなくとも併記して教えてもいいのではないだろうか?

5世紀に建てられたアウカナ・ブッダ
シーギリアのフレスコ画"シーギリア・レディ"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、先日イギリスのウィリアム王子の結婚式が世界中の話題になったが、神の子孫であると言われている日本の皇室は、イギリスの王室の歴史にくらべて、その何倍もの長きにわたって同一ファミリーで125代も受け継がれているという世界に希有の歴史のあることもきちんと教えることや、日本人として知っておく必要があるのではないだろうか。
ボーダレス時代はあらゆる国々のメーカーと激しい競争に遭遇する。日本人として世界一の歴史を持つ日本を誇りにおもって、それら他国のメーカーと自信をもって戦うべきと思えてならない。

(蛇足の写真)スリランカの骨董屋で何気なく手にした安物の鉢の裏をみたら、MADE IN OCCUPIED JAPANとあったので思わず買ってしまった。

第二次世界大戦後、GHQ統治下の日本では、輸出向け製品には"Made in Occupied Japan"(占領下日本製、の意)と表示することが義務づけられていた。